個人でECを開きたいときですが、みなさんの中で不安があるとしたら、主に下記の3つほどあるかな、と思います。
1 副業でも大丈夫か?
2 知識がないけれど大丈夫か?
3 大手と似たような商品だけどうまくいくのか?
1. 副業するとこんなメリットが
まず1番目のこちらから解説したいと思います。独立されている方は読み飛ばして構わないのですが、会社にいながらにして、副業をするとこれらのメリットがあります
収入源をもうひとつ増やすことで安定した生活の基盤を作ることができます。
会社のストレスが減り、仕事がうまくまわりはじめます。
失敗が許される。予行演習になる
生活の基盤ができるくらい利益がでる前に独立すると、プレッシャーは多少生じるので、予行演習に近い形で副業のスタイルから始められるのをお勧めします。
副業で月に数十万の利益が出るなど、生活が安定するレベルになれば、独立を視野に入れると良いかと思います。なにより、続けることが大事で、そのためには自分の好きなことをするのが一番なのですが、収入が得られないプレッシャーで売ることに必死になることは避けるべきです。
ちなみに私の場合は、会社にいながらにして、趣味のファッションをSNS発信してファンを構築できていました。そういうスタンスや流れの方がうまくいく理由を続けてお話したいと思います。
会社の仕事がうまくいく
それはなぜか、というと、副業を行うことで本業の会社の仕事がうまく回るようになってくるからです。帰ってからはやく発信したい!と思うと無駄な残業を減らすために時間の使い方を考えたりするので、効率がよくなったりします。
あと、会社の仕事にフォーカスして頭が偏り気味になることが多いと思うのですが、会社以外で別の角度から勉強したり身につけた知識が豊富になることで、それらが本業に生かされるということもあります。
わたしが普段ブログで実行していたSNSの発信やPRなどは会社のプロジェクトの役にもたちました。会社でうまくいくと、事業が成功に向かうだけでなく、自分の心の余裕がうまれ、ストレスも軽減します。社内での立ち振る舞いや、コミュニケーションも改善され、報酬もアップするかもしれません。
ここでひとつ、会社勤めで疲れているのに、さらに副業なんて時間がとれるのか?という単純な疑問もあるかもしれません。ただ、いまは昔に比べてECサイトを作るための構築や運営ツールの利便性が増し、より効率化を図ることができます。
時間的なロスが改善されたことで、会社の終業後にカフェに立ち寄って作業をしたり、週末の時間を活用して、仕事をするのも難しくありません。私の場合は、19時に会社の仕事を終わらせて、帰って2時間くらいの間、ブログでスタイリングを載せたり、本やネットで、ECサイトを立ち上げる前の準備や調べ物をしていました。
2時間でいいの?と思うかもしれませんが、これが本当に毎日続けていたので、1年も経つとある程度形になったりします。
あと細かい話では、副業で得られた利益は確定申告でどう申請したらいいのか?といった悩みなどがあるかと思います。最近では副業を禁止されている会社は少なくなってきたと思いますので、そういう不安や悩みは減ったかもしれませんが、そちらに関しては、わたし以外に詳しい方がおられますので、こちらご覧ください。
>>副業で確定申告をしないといけないのはいくらから?(副業の基礎知識)
>>スマホで確定申告(国税局)
わたし個人としては、副業禁止、と会社からいわれていたとしても自分がやりたいことを制限される理由はないと思いますので、あまり気にする必要はないのではと思います。
2 知識がないけれど大丈夫か
ECの概念が登場して20年以上も年月が経ち、これだけ情報量や成功する店舗が増えてきているので、ノウハウに関しては、書籍のほか、それこそGoogle検索でググってもたくさん情報が出ています。豊富な知識を持っている人が、ECの講座など開いています。最近ではZoomなどを使った講座が無料または数千円単位で受けられたりします。
基本的には、スポーツや勉強と同じで、ECに関しても、やり方を学んで、実践して、改善してという繰り返しでどんどん良い方向に形成されていきます。
一方で、知識というのは使い方によってはいい面も悪い面もあります。「成功法則」のような本が世の中に出ていて、それを読んで頭ガチガチにした状態で、よし、始めよう!とされる方もおられます。
でも、仮にですが、たくさん「売れる」ということが成功と呼ぶのか、「知名度があがる」のが成功と呼ぶのかなど、各々で捉え方が変わってきます。正直なところ、成功の法則なんてだれも正しいことを知らないのがECの現状です。ECの運営=オンラインで経営をする ということと同じだと思うのですが、商品や顧客層、オーナーの性格や環境によっても成功が左右されます。現場で起きることに対する柔軟さや、間違ってるかな?ということも思い切って実行する面も大事だったりするのです。それが他店との差別化につながるケースだってあります。
つまり、オーナー自身の思いすべてにマッチした情報や解説をしている本、ネットの情報を探し当てる方が難しいはずです。
いろいろと勉強されるのはよいのですが、全部を鵜呑みにするのではなく、情報を自分なりに読み込み、納得する部分のみ吸収するのがよいです。そしてなるべく、ECの経験者や、自分に近い考えを持っていそうだな?という方の話から学ぶのがベストだと思います。
ちなみに個人的におもしろいなと思った本ですが、D2C(Direct to Consumer)の詳細がまとめられた本があるので、下にリンクを貼っておきます。D2Cは、メーカーが小売店を介さず直接ECなどで自分たちが販売を行う意味で用いられています。メーカー直販に関する事例が豊富なので、あたまの整理として読んでおく価値はあると思います。
3 大手が似たような商品を展開しているといって諦めない。
今の時代、すでに世の中にはたくさんの良い商品があります。昭和の時代は、新しい商品が登場したら飛びついて購入される傾向にありましたが、いまはモノに溢れ、そもそも選ぶことに疲れてしまったり、人の購入意欲自体が削がれているかもしれません。それにだれでも情報が検索できますので、比較も簡単にでき、ショップ側としては価格競争に巻き込まれてしまいます。
ただ、良い商品はいっぱいありますが、実のところ、現代人は、商品を買う目的よりも前に、個人やオーナーの「ストーリー、思い、信頼」があった上で、購入に至ります。
もうすでに世の中にある商品だから、ということも、心配しなくていいと思います。
わたしの例なのですが、ブログとSNSのフォロワーが15,000人を超えた頃、これまで個人ブログで発信していた「コーディネート」を軸にしたECサイトを立ち上げたいなと考えてしました。毎日発信するコーディネートの提案によって、それを見た方が ”購入したい!” というお客様の流れができていました。
ところがECサイト「コーディネートショップ」を立ち上げた頃は、ZARAやH&Mなど、ファストファッションを販売するということは大手ブランドに限られていたように思います。
私は、日本のZARAにないような、もっと海外風のヴィヴィッドなカラーやデザイン豊かな商品をオンラインで揃えたいと思っていました。それに、コーディネートをコンセプトにしたかったので、自分の個性をブランドとして展開せずに、とにかくあらゆるデザインをサイト上に豊富に並べたかったのです。
ただ、ファッション業界にいたこともなく、販売実績がない上に商品MDの知識もなく、自分の規模では仕入れに限界があり、仕入れできたとしても、在庫が捌けないリスクがありました。
そこで、あえて国内で倉庫を持つことをしないと決め、製造する海外の工場と提携し、その代わり、海外側の在庫の情報を連動させるために100万円ほどの開発投資を行い、30,000点を超える商品をリアルタイムで反映できるようにしました。工場にあるストック分の数量管理なども行うことができます。
そうするとお客様はより豊富な商品をオンライン上で購入することができ、ショップ側は注文が入ってからすぐ工場へ発注し、発送依頼が可能になりました。
結果的にはこのシステム開発により、1億を超える販売額を生むことができました。
自賛するわけではないのですが、これはある意味、どこもやっていない特殊な方法かもしれません。わたしの場合は、コーディネートというコンセプトが前提にあり、自社ブランドというこだわりは持たず、どうしても商品を揃えたかったという目標があったので、大手ブランドにはかなわない部分は別の方法で補完し、なんとか個人や小さな会社でもできる方法を模索して実行することができたということです。
こうした方法ですが、真似されたらどうしよう、と不安がる話も聞きますが、そのステージになるのは年商数十億などかなり成功したレベルといってもいいかもしれないです。知名度が伸び、ブランド設計がうまくいったということですので、むしろ真似されるレベルを目指すぐらいの気持ちがあってもいいです。
だから今がチャンス
自分がECの業界で仕事をはじめたのは2002年頃の黎明期で、楽天もたしかまだ5,000店舗くらいのころだったのですが、そのころは今のように個人がECをやれるような時代どころか、情報も錯綜していました。構築や運営のために投資してもぜんぜん効果が現れなかった、というような時代なので、損をしたり時間をたくさん使ってしまった店舗もあったようです。
いまはECの情報も、成功例(失敗例)も、構築するための環境も整ってきていますから個人事業主にとってとても良い時代です。
どんな大きな会社でも失敗することもあれば、小さな個人ECが成功することもあります。
はっきりいって成功の法則はありません。実行力があり、フットワークの軽い個人は成功に近づき、ECをはじめるにはとても適した時代です。チャンスが訪れていますのでスピード感をもってぜひ行動に移してみてください。
ECに関する講座や、その場でショップを立ち上げる構築講座なども行なっていますので、ぜひチェックして見てください。